2021年7月のお気に入り漫画。気弱な青年ジルベールの成長記「Artiste(アルティスト)」
待てば¥0でお馴染みの漫画・小説アプリ、ピッコマで毎日のように漫画を読んでいる。
最近の1番のお気に入りを紹介したい。
「Artiste(アルティスト)」だ。
主人公は、気の弱い青年ジルベール。
パリの高級レストランで皿洗いをしている彼には、ある天賦の才があった。
厨房内で起こる様々なトラブルを乗り越え、仲間と共に料理という芸術を創り上げていく。
この物語は青年ジルベールの成長記だ。
奥手で、引っ込み思案で、自分をマイナスすれば事が丸く収まると思っている彼が、仲間との出会いをきっかけに、己の壁を乗り越えようとしていく。
一癖も二癖もある同僚や同居人たちと彼の交流は、じれったくも瑞々しく描写されている。
何故この作品が好きなのか
わたしは「料理」がテーマになった小説や物語が好きだ。性質が食いしん坊なのも影響しているだろう。
何より美味しい料理で、誰かの心が満たされたり、豊かになる描写は心惹かれるものがある。
Artisteは料理を「食べる」行為はもちろんだが、「創る」行為も繊細に描かれる。
レストランの料理はたった1人で作るのではない。
食材を市場から仕入れ、冷蔵庫で管理された後、調理されて1つの皿へと仕上がる。その過程には数えきれない程の人が携わっている。
料理を通じて生まれる人と人の縁、緻密な関係性を、優しくも直球に描いている作品だと思う。
何度も言うようだが、この物語は青年ジルベールの成長物語だ。
気弱で内気な青年が、料理を通じて1枚ずつ己の殻を破っていく。
わたし自身が意志薄弱のため、成長物語を読むのは好きだ。励まされる。
軸のある人、意志の強い人と生身で相対すると目が眩んでしまうので、活字で追うことで己の中に主人公の行動や言葉を刻みつけるのだ。
ジルベールはなよなよとしていて、男らしさからは程遠い。
しかし料理への意志がある、熱意がある。彼が己の内面を着飾ることなく、文字通り懸命に表現していく様子に、きっと勇気をもらえるだろう。
ピッコマでは最初何話かは無料、それ以降は1日1話を「待てば¥0」で読むことができる。
アプリはもちろんWebにも対応している。ぜひArtisteを一読してみてほしい。
あまりにいい話なので単行本が欲しくなっている。
自分に合った物語に出会えることは、これ以上ない幸せであるな。
まだ連載は続いているようなので、気になった人は一緒に続きを追いましょう。
ネタバレになっちゃうけど、キャラクターやエピソードごとの感想なんかも書けたらいいな。いつか書こう。