青森市油川のイタリア料理店、Adessoさんにおじゃましました
青森市油川にあるイタリア料理店、Adessoさんにおじゃましました。
油川の通りにちょこんと建てられた、四角くシンプルな佇まいのお店。
入口の茶色の重厚な扉はちょっと重め。「開いてないのかな?」と一瞬勘違いするも、ぐっと力を込めるときちんと開きました。
開店直後におじゃましたので、店内は静かで穏やかな様子でした。調度品も気取らず、落ち着きのある空間。
この日は男性シェフと女性のウェイターさん(シェフの奥様?)とで営業されており、ウェイターさんが一番奥の席へ案内してくれました。
本日は、予約限定のシェフお任せランチコース ¥3500をいただく。
前菜2皿・パスタ・メインディッシュ・フォカッチャ・デザート・食後のお飲み物
という贅沢なラインナップ。
食前にグレープフルーツジュースを注文し、配膳を待つ。
いただいた食事をご紹介。
ヒラメのカルパッチョ
ヒラメの身は淡泊な中に、甘さと味わい深さを感じられる。ほのかな酸味のイタリアンソースが程よく相まって、食欲を引き出してくれました。
甘味というのは、自分の体温に近い温度のときに、最も甘く感じるんだそう。ヒラメの身が冷たすぎなかったのは、ヒラメ本来の甘味を引き出すためなのかもしれません。
とうもろこしの冷製スープ
とうもろこしは丁寧に漉してあるんだろうか。とろりとしたコクのある舌触りに、フルーツを思わせる、しかし優しげな甘味。トッピングされたとうもろこしの身はシャキシャキとした触感が楽しめ、スープの素晴らしいアクセントになっています。
サルシッチャのパスタ
残念ながら「サルシッチャ」という単語以外、料理名がよく聞き取れませんでした。唐辛子とトマトを使ったピリッとしたソースをショートパスタに絡め、上からチーズ。
パスタが横にくるりとカールしており、そこに絡んだソースが舌に嬉しい。小麦とトマトの素材感を堪能できます。
牛ミスジのステーキとフォカッチャ
焼き加減はレアの状態かしら。黄色いズッキーニ(らしき野菜)と、丸くスライスされた茹でジャガイモ(だと思う)を添えて。酸味がある謎のソースが華やか。
ミスジステーキを一口噛むと、肉汁があふれる。レアは肉汁が多くなる焼き方らしい。たまらないのが、この肉汁と酸味の効いたソースとが、咥内で素晴らしいグラデーションを作り上げるのです。どちらかが一方を圧倒するでもなく、やわやわと双方の良さが舌の上で溶けていく。
カルパッチョ同様、ミスジが熱すぎないので肉汁もほんのり甘く、いくらでもほおばっていたくなります。
ステーキと共にもっちりとした三角フォカッチャも出てきました。小さめにちぎってはソースに浸し、ぱくり。塩味が効いていて、これまた美味しい。
パンナコッタと桃のコンポートとアールグレイアイス
あっという間にデザートへ。連れはひと目見て「やけに茶色いデザートだね」との 感想。確かに。
パンナコッタはやや固め。スプーンを押し返す弾力が愛らしい。シンプルで優しい甘さ。コンポートとアイスの中継地点というか、どのデザートと一緒に食しても邪魔にならない影の主役。
桃が食べ頃になる季節、夏。コンポートはしっかり果実感が残っており、桃の蜜が口いっぱいに広がる。存在感があるお味です。
わたしの一番の気に入りが、アールグレイアイス。アールグレイの香り高い風味を殺さない、控えめな甘さ。さらりと舌の上で溶け、口腔に茶葉の余韻が残る。ウェイターさんに聞いてみたら自家製だそう。自家製で、こんなに美味しくできるんだ…。1スクープなんて殺生な。バケツいっぱいとは言わないから、ご飯茶碗山盛りくらいの量は欲しい。
食後にホットティーをいただき、コース終了。
1品1品の量は少なめなのだけれど、全体を通してみるとちょうど腹八分目に。よく考えられていらっしゃる。
素材の味と旨味がシンプルに伝わってくるお料理で、満足でした。
来店後にHPを拝見。
お店の説明にはこうありました。
青森市郊外にある小さなイタリア料理店。
その空間も一つの大切な素材。
お皿を通してお客様との温度を感じながら シンプルに食べられる美味しさをお伝えできればと願っています。
笑顔のあふれるシアワセなひと時を・・・。
まさに。
大切な方を連れて共に時間を過ごしたくなる、そんな居心地のよいお店でした。
ちなみにHPにはブログも掲載されております。
文章や写真の端々から、スタッフさんの人柄が伺えてほっこりします。
青森市油川にあるイタリア料理店Adessoさん、訪ねてみてくださいね。