書きたい分だけ書くブログ

冗長な戯言(たわごと)をつらつらと

繰り返し遊びたい、オススメボードゲームをひたすら羅列する

ありがたいことに、ボードゲームに触れる機会が多い。

 

遊んだボードゲームが1000を超えると、自分の好みも把握できてくる。

千万無量のゲームには「振り向けばいつも奴がいる」的な(?)、わたしの心を掴んで話さない子が現れる。鉄板ゲーム*1という奴だ。今日はその子たちを紹介したい。

「My鉄板ゲーム」なので、ぜひ遊んでくれ!とは言わない。ボードゲームには好みがある。無理強いはよくない。あくまでいち小市民の感想として、読んでもらえたら嬉しい。

 

ゲーム選びの基準について。

わたしはコミュニケーションが重視されるゲームや、ややソロ感*2の強いゲームを好みがち。

遊びを通じて、相手の反応や価値観が伺える瞬間や、じっくり思考を整理していく過程がたまらなく好き。また、物語を追っていくような没入感があるゲームもよいですね。

対照的に、相互作用強めのゲームは苦手。バチバチ相手と対決したり、緻密な交渉で利益をあげたりとかは、脳内計算が追いつきません。

 

紹介はルール概要のみとさせていただく。詳細が気になった方は、ぜひ実際に手に取ってみてくださいまし。近隣のボードゲームカフェで遊んでみるのもオススメですよ。

 

さて、紹介していきます。

恐ろしく長文ですので、目次から気になるゲームだけでもどうぞ。

注:写真等、随時追加していきます

 

 

 

 

手始めにカードゲームから。

 

ラミー111

英語版の正式名称は「my Rummy 111」。

各自12枚の手札を持ってスタート。手札には2から111の数字がふられている。

この手札、見やすいようにとカード順を変えることは出来ない。これらを昇順または降順に並べ直すことがゲームの目標。

手番にやることはシンプル。場に並んだ3枚のカードのうち1枚を取り、自分の手札のどこかに差し込む。すると、差し込んだ場所の左右どちらかのカードを1枚取り、場に戻すことができる。これを繰り返して、いち早く昇順 or 降順に並び替えたプレイヤーの勝ち。

 

ラミー111はスルメゲーである。遊んでてじわじわくる。

ルールは地味だが、手札が揃ったときの達成感がたまらない。ルール説明も簡単なので、年齢や人選を問わずに楽しむことができるだろう。

 

ボーナンザ

畑に豆を植えて、収穫してお金を稼ぐゲーム。

ブルービーン(Blue Bean)やスティンクビーン(Stink Bean)といった、コミカルな絵柄の豆カードをプレイヤー間でやりとりし、自分の場(畑)に植えていく。

1つの畑には1種類の豆しか植えることができず、自分で持てる畑は最大3つまで。

豆の種類が畑の数を超えるようなら、既に植わっている豆を売却して畑を空にするか、他プレイヤーと交渉して豆を引き取ってもらわなくてはならない。

 

まめまめ言ってたら、何だか愉快な気分になってきた。このゲームはとにかく豆カードの交渉が熱いゲームだ。3人から遊べるが4~5人のほうが楽しめると思う。

ボーナンザもラミー111同様、配られた手札は勝手に位置調整をしてはいけないルール。交渉でワイワイできるのと、手札のやりくり感が好きなんだろうな。

 

 

 

次に2人用ゲーム。

 

ペアネコ

ネコのペアを作ってあげよう!

裏表に異なる猫の絵柄が書かれたブロックを使う。

文面だけだとわかりづらいが、まずブロックを2人のプレイヤーの間に立てる。両プレイヤーとも、ブロックの片面側のネコしか見えないように置くのがミソ。

これを押したり、引いたりして倒していく。そのとき、既に倒れているネコと同じ絵柄のネコが倒せたら、ペアとなって得点。通常ペアは1~2点だけれど、赤ネコと青ネコはカップルペアになって5点になる。

 

一方のネコしか見えない状態で、裏側のネコを予想してブロックを倒しあう駆け引きゲーム。木製の分厚いブロックを使うので、手触りはもちろん、倒したときの感触がよい。1ゲームは短いのに読み合いが濃厚。もっと遊ばれてほしい。

 

クアルト

フランスのGigamic社から出ている、アブストラクトシリーズ(勝手にわたしがそう呼んでいるだけ)の中で1番のお気に入り。

簡潔にいうと特殊な四目並べ。縦・横・斜め、どこか1列を揃えて「クアルト」と宣言すると勝ち。

駒には4種類の特徴(色・形・高さ・穴)があり、それらの特徴のいずれかが一致して、1列揃うと勝ちになる。

ただし、自分の手番で置く駒は相手が選ぶ。逆に相手が置く駒もこちらが選ぶことができる。自分が選んだ駒で相手にクアルトされると、めっちゃ悔しい。

 

単純明快な四目並べなのに、中毒性高し。

この駒をここに置くと、次相手に渡しちゃいけない駒がこれとこれでしょ…、とか色々考えたはずなのに、1列うっかり見逃してクアルトされ「あ”ーー!!!」みたいな。

空いた時間にさくっと出来る手軽さもよい。

 

 

 

続いて、対戦系ゲーム

 

ラミーキューブ

1〜13までの数字がふられた、4色のタイルを使う。手持ちのタイルをいち速くなくした人が勝ち。

真ん中に共通の場というのをつくる。手番ではタイルが3枚以上のグループになるように、共通の場に自身のタイルをどんどこ出していく。

グループの作り方は2種類。同じ色の連番グループか、違う色の同じ数字グループか。このグループのルールにのっとって、3枚以上であれば枚数は問わない。

共通の場にあるグループは組み換えができる。

『赤の4のタイルを出すためには、赤の3をあっちのグループに移動させて。そしたら自分の青の3も出してグループにしちゃおう」といった具合に、組み換えで論理パズルする。これが醍醐味。面白い。

しかも公式ルールでは、各手番1分という制限時間つき。脳汁が出ます。

 

デュプリク

無茶苦茶なルール(誉め言葉)のお絵かきゲーム。画力は必要ないのでご安心を。

親手番のプレイヤーは実況係となり、専用シートに書かれたお題の絵をこっそり見る。

その他プレイヤーはペンとメモ用紙を持ってゲームスタート。

親は実況係という肩書通り、制限時間内でお題の絵をどんどん説明していく。その他大勢はその説明通りにリアルタイムで絵を描きとっていく。

制限時間が過ぎたら得点計算。親が持つシートの右半分に、テスト勉強等で使う赤透明なカードをかぶせると、絵の評価項目が10個出てくる。

たとえば「男の洋服には、ボタンが4つある」とか。「犬は右を向いている」とか。

そんなん知らんがな!!という評価項目をより多く満たすと高得点。

得点計算のバカバカしさがやんごとなき面白さ。皆が皆同じ絵を描くので、自然と個性が出てくるってとこもいいよね。

 

ブラックストーリーズ

水平思考クイズが楽しめるボードゲームである。

親が出題者、その他プレイヤーは回答者になる。

親がクイズを読み上げ、その他大勢は親に対して「はい」か「いいえ」で答えられる質問をぶつける。質疑応答を繰り返して、正解を導き出すという流れだ。

クイズはたとえば以下のような感じ。「ウミガメのスープ」という有名な問題を引用する。

 

ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
スープを一口飲んだ男は、それが本物の「ウミガメのスープ」であることを確認し、勘定を済ませて帰宅した後、自殺した。一体、なぜ?

 

 

理由や原因が省かれているので、そこを探り当てる推理クイズというわけ。

固定観念に囚われていると正解にはたどり着けない。色んな角度から事件を見直す過程が非常に楽しいゲーム。

「ブラック」と銘打つだけあって、殺人事件やブラックジョークを扱ったテーマがほとんどで難問も多い。この理不尽さが癖になったなら、ブラックストーリーズの沼から抜け出せなくなっていることだろう。

 

 

 

続いては正体隠匿系ゲーム。

自身に割り振られたの役職を隠しながら戦う、所謂人狼のようなゲームを指す。

 

インサイダーゲーム

お題を1つ決める。その他大勢は親に対して「はい」か「いいえ」で答えられる質問をぶつけながら、お題を当てる。ここまではブラックストーリーズと一緒。

大きく違うのは、その他大勢の中にこっそりお題を知っている「インサイダー」が混ざっている点。インサイダーは皆がお題にたどり着くよう、それとなく誘導しなくてはならない。

無事にお題にたどり着いたら、誰がインサイダーなのか話し合いをして投票。見事逃げおおせたらインサイダーの勝ち。バレたらその他大勢の勝ち。

 

時間制限付きなのでお題当てもハラハラするし、それとなく周りも観察しなければならないしと大忙し。だけど楽しい。シンプルなルールで大勢で盛り上がれるので、パーティゲームの新定番といってもよいだろう。

 

タイムボム

時空警察とボマー団という2陣営に分かれて戦う。

時空警察は、手札の中に潜む「解除」カードを全て探し当てたら勝利。

ボマー団は1枚だけ存在する「ボム」のカードを見つけるか、時空警察の目的を邪魔したら勝利だ。

各自の手札は自分の前に伏せて置く。親がニッパータイルを自分以外の誰かの手札の前に置き、手札をオープン。今度はニッパーを渡された人が別の誰かの手札を開ける、というのを繰り返していく。

 

伏せた手札の内訳は最初に確認するが、その後手札はシャッフルして、どこにどのカードが置かれたのかはわからないようにする、というのがミソ。

 

「わたし解除2枚持ってるよ」

「ボムあるから、わたしのところには来ないで」

などと嘘と本当を交えながら議論が進む。

役職は2つしかないし、人狼と違い途中脱落がないので最後まで全員で遊べるのがよい。途中に何となく発言したことが、思わぬ展開を生んだりする非常にドラマチックなゲームなので、人狼苦手な方もプレイしてみてほしい。激推し!

 

 

 

次は協力ゲーム。

みんなで1つの目標に向かって協力しながら遊ぶゲームのこと。

勝つときはみんなが勝ち。負けるときはみんな負け。奉行問題を起こさぬよう、仲良く遊ぼう。

 

マジックメイズ

身ぐるみはがされた勇者パーティが、武器を強奪するためショッピングモールに忍び込むという設定。

このゲームは制限時間付き。砂時計が落ちきる前に、4つの勇者駒を操作して、各々の武器の元へと案内しなくてはならない。

興味深い特徴が2つ。1つ目、手番という概念がない。よーいどんで各々が好き勝手に、勇者駒を動かすことができる。

2つ目、各プレイヤーに縛りがある。ある人は東方向にしか動かせない。またある人は西方向にしか動かせないといった、様々な縛りプレイを強制される。

 

「あの駒動かしたいのに、あの人が1歩右に動かしてくれないと、何もできん!!」みたいなこと意思の衝突が何度も起きる。この焦燥感、やきもきする気持ちを乗り越え、クリアしたときの達成感がたまらない。

リアルタイムでゲームが進むので、待ち時間無しでさくさく遊べるのもGOOD。

 

 

 

次はダイスゲーム。 

サイコロを降って遊ぶゲームといえば話が早いが、その種類は千差万別。ジャンルとしてひとくくりにしてしまうのは暴論かもしれないが、今回はご容赦を。

 

クウィックス

ダイスを降って、出目に応じてボードに✗印をつけて得点を稼ぐ、紙ペンゲーム。

ペンゲームというのは、プレイヤー全員が同じ専用ボード、またはシートを持ち、書き込みしながら遊ぶゲームを指す。

ボードは四段に分かれており、各段には2〜12までの数字が昇順 or 降順で横一列に並んでいる。各数字に✗をつけながらゲームは進むが、必ず左から右へと印をつけなくてはならないのが大きな特徴。

たとえば昇順の段で5に✗をつけた場合、4以下の数字には✗がつけれなくなる。

 

この左から右へルールがじわじわとプレイヤーを苦しめていく。出目によっては「1個も✗できない!」というときもあれば、「やったー!!12が出たーー!!」みたいな歓喜の瞬間も味わえる。

同じ段にたくさん✗をつけれたら高得点。ダイスの神様に祈りながら、一瞬一瞬の判断を迫られる楽しいゲームだ。

 

ガンシュンクレバー

こちらもダイスを振って、✗印や数字を書きながら専用シートを埋めていく紙ペンゲーム。ただ、運要素が強いクウィックスに比べ、運と共に采配力が問われる。

シートは5つに分けられており、各区域に応じて得点計算が異なるのだ。

ある区域は左から順に出目の数を書いていくが、前に書かれた数字より大きくないといけないとか。

ある区域は2〜12の数が書かれているが、2つの出目の合計の数にしか✗できないとか。

 

ダイスの振り方もかなり特殊で「このダイスの出目が大きいけど、今はこっちのダイスを取らなきゃ、次に振る分がなくなっちゃう…!」という問題が起きたり。

考えることが多すぎて初めてのプレイでは脳内パンク状態。しかし「次こそは高得点だ!」とついついリプレイしてしまう中毒性の高いゲームである。

 

ちなみに何とオンラインでも遊べる。ドイツ語版かつ1人プレイ用だが、ルールがわかる方はぜひこちらもどうぞ。

m.brettspielwelt.de

 

スペースベース

宇宙基地へ艦艇を配備しながら、宇宙軍大元帥を目指すロマン溢るるゲーム。

ボードにはダイスの出目に対応した、2〜12までの艦艇が置かれており、それぞれ色んな効果を持つ。手番ではダイスを2個振り、2個の出目を1つずつ使うか、出目を足した数値を使うかを選ぶ。

ダイスが「2、5」の場合、艦艇2と5の効果を使うか、艦艇7の効果を使うか選べるというわけ。

効果を使ったあとは、より強い艦艇を新たに購入したり、影響力(得点)を高めたりすることができる。

 

硬派な世界観だが、ボードもカードもカラフルだし、ポップなプレイ感である。

艦艇の組み合わせによってコンボが決まって大量得点できたり、出目を操作出来たりするが豪快で楽しい。「ダイスの女神に嫌われてるんだよね」という、わたしみたいな方でも大勝ちできたりするので、1度遊んでみてほしい。

 

 

 

お待たせしました、長時間ゲームです。

1.5〜2時間程かかるゲームだと思っていただければよいかと。

長時間=プレイ感が重いことから、重ゲー(おもげー)と言われることも。(どんなゲームを重いと見なすかは個人差があります)

説明文だけではルールが網羅しきれないので、世界観や目立った点などをお伝えしたい。

 

オルレアン

始めに言おう。たけなみのイチオシゲームであると。

フランスの都市・オルレアンの有力貴族となり、従者を雇用し、街に貢献し、勝利点を稼ぐのだ!

くじ引き要素、すごろく要素、セットコレクション、エリアマジョリティ、とにかく色んな要素が絡み合った盛り沢山のゲームだ。

 

バッグビルディングが大きな特徴。

プレイヤーは各々自分の袋を持ち、その中に従者を模した丸いチップをぱらぱら入れておく。そこから規定の枚数チップを引き、引いたチップを自分専用のボードに配置すると、色んな能力が使える。使ったチップはまた袋に戻しておく。

ゲーム中に新しいチップや、強い効果のチップも追加購入できる。こうして自分のバッグ(袋)をビルドする(育てる)ので、バッグビルディング呼ばれる。

 

「せっかく買ったのに!あのチップが!全然引けない!!」と己の手を呪うのも、引いたチップをボードのどこに配置するかじっくり采配するのも、楽しい、趣がある。

チップの配置場所によっては、自分の駒をすごろく風に進めて、ギルドを建てるといったワクワクする効果も。

チップが100枚程、タイルや駒も何十枚とあるので、アナログな事前準備が非常ーーに面倒だが、ここから既にオルレアンは始まっているのだとドキドキする頃には、あなたもオルレアンの虜となっているだろう。どうか遊んでみて欲しい。

 

ブルゴーニュ

ブルゴーニュ地方の領主となって、土地や資源を獲得していき、街を豊かにしよう!

ダイスを2個振って、出目に応じてタイルを取ったり置いたり、はたまた積荷を出荷したりと、領主は大忙し。

個人ボード上に獲得したタイルを並べ、実際に街づくりをしていく。

 

ブルゴーニュは、色違いの六角形のタイルが、それぞれ違う効果を持つ。

牧場タイルは勝利点がもらえるよ、鉱山タイルは銀がもらえるよ。建物だと、教会や工房、銀行なんかも建てれるよと、種類豊富なのが楽しい。

シムシティとは違うので、得点を稼ぐためには自分の好きな建物ばかり建てる訳にはいかない。しかし、クラシックな絵画風に描かれたデザインは、ついゲーム中もタイルを手に取って眺めたくなるほど細やかで美しい。

 

ダイスの目を操作してタイルを配置するテクニカルな部分と、駒やボード、箱絵のデザイン面の美しさが同居する、稀有なボードゲーム。1度ルールを覚えると、2回目以降はすいすい遊べるはずだ。

 

カヴェルナ

農園を営むアグリコラで有名なボードゲームデザイナー、ウヴェ・ローゼンベルク氏の作品。

プレイヤーはドワーフとなる。森を開拓して農園や牧場にしたり、洞窟を掘り進め自宅を広げたり、ルビー鉱床を発見したりしながら一家を養っていく。ゲーム終了時、より豊かな個人ボードを作り上げたプレイヤーが勝利だ。

 

ワーカープレイスメントと呼ばれるシステムが特徴。

プレイヤーはそれぞれドワーフ(労働者)を意味するワーカー駒を持っている。使用したいアクションマスに駒を置くと、そのアクションが使用できる。基本的に誰かが使用済のマスに別の駒は置けないというのが悩ましい。

また、カヴェルナではワーカー駒を鍛えることができる。鍛えられた駒は行動順が遅くなるものの、通常の駒より強いアクションが使えたりする。どれくらい駒をレベルアップさせるかも勝利の分かれ目になるだろう。

 

使用するタイルが異様に多いし、できるアクションも選択肢がめちゃ広い。よってゲーム中は頭が思考でパンパンになるが、終わってしばらく経つと「今度はもう少し上手くやれる気がする…」と、ふと遊んでみたくなるカヴェルナ。

箱の重量感がまた愛おしいので、店頭やボードゲームカフェなどで実物と相まみえた際は、優しく箱を抱っこしてあげてほしい。

 

イーオンズエンド

我々人類は、危機に瀕していた。拠点グレイヴホールドも、このまま手をこまねいていては陥落も時間の問題。破孔使いの魔術師たちは命を賭し、破滅をもたらす怪物ネメシスの打倒へと向かう。

 

どうです、かっこいいでしょう。ザ・ファンタジーでしょう。

イーオンズエンドはネメシスと呼ばれるボスモンスターを退治する、協力型ゲーム。プレイヤー全員が個性の異なる魔術師を担当し、力を合わせてネメシスを倒すことが目的。

ゲームシステムとしてはデッキ構築型カードゲーム。

用語をよく知らない方は、ポケモンカードとか遊戯王をイメージしていただこう。ゲーム中に新しいカードを購入して、手持ちのカード束をどんどん強くできるポケモンカードという感じ。

デッキ(いわゆる山札)は、このゲーム中一切シャッフルされない。使ったカードは使われた順に一旦捨て札になり、山札がなくなったら捨て札を裏返し、そのまま山札にするという仕様。このシャッフル無しのルールはかなり珍しい。

 

どのカードを、どの順で使っていくかを考えるのが悩ましく、非常に歯ごたえのあるプレイ感。ネメシスという圧倒的な力を持つ敵を、協力して討伐したときの達成感が素晴らしい。

協力ゲームなので、隣の席の人から(ゲームで)タコ殴りにされる危険もなく、じっくりカードゲーム出来るところもよい。

 

スピリットアイランド

先住民ダハンと精霊とが共存して暮らす、自然豊かな島。この島を開拓し、都市化しようと侵略者たちが押し寄せてくる。貴方は精霊の1人となり、能力を行使しながら静かで穏やかな島を取り戻すのだ。

 

島を模したボードに侵略者や街や都市がわんさか湧いてくるので、精霊の能力(カード)を使って彼らを駆逐していく協力ゲーム。

駆逐しきれなくても大丈夫。侵略者たちの不安を煽りまくっても勝利である。「この島には…触れてはならない"何か"がいる…!!」とビビらせるのだ。この不安システムを前に散っていく侵略者を見ていると、正義というのは人によって異なるよね、と同情の意を禁じえない。

精霊は皆、神秘な力(物理)の持ち主だが、侵略者も数で圧してくる。序盤〜中盤はかなり圧迫感のある展開に苦しむが、気づくと勝利している。

 

カードの効果や1ラウンドごとの処理など覚えるべきことは多い。登場する精霊たちも癖が強く、侵略者の猛攻に辟易する時もあるが、それを補って余りある満足感がある。

シナリオや敵対国カードを入れたりするなどして、難易度調整が出来るので、繰り返し遊べる。わたしは旦那と、難易度を徐々に上げつつプレイしている。

スピリットアイランドは4人まで遊べるが、ベストプレイ人数は2人らしい。(世界最大のボードゲームオンラインフォーラム、Board Game Geek、通称BGGより)

ボードゲームに慣れてきたご夫婦の皆様、2人でスピリットアイランドはいかがでしょうか。

 

 

 

さあここからはネタバレ要素があるボードゲームを紹介。

1度遊ぶと盤面が物理的に変わるため、1回遊びきりのゲームもある。また、何回か繰り返して遊べるが、初プレイ時の「次に何が起こるのかな?」というワクワク感が醍醐味というゲームもある。

どちらにせよ、濃厚かつ忘れられない体験になること間違いなしなので、躊躇することなく遊んでみるべし。

 

パンデミックレガシー

ボードゲームのジャンルに「レガシーシステム」「レガシー系」という名を刻んだ名作。1回遊びきりのゲームだが、1箱で12〜24回は遊べるのでご安心を。

 

パンデミックレガシーは、「パンデミック」というボードゲームが元になっている。

4種類の感染症が世界に蔓延った世界線。プレイヤーは感染症スペシャリストとなり、世界中を飛び回って治療薬を完成させる協力ゲームだ。

パンデミック自体は何度も繰り返し遊べる。そこに具体的なストーリー、イベント要素、キャラクターの成長要素、盤面変化、マルチエンディングなどの要素を投入。1度しか体験できない、自分たちだけの物語を紡ぎ出すことが可能になったのがパンデミックレガシーだ。

1月から12月というゲーム上の1年間を通して、世界を襲う未曾有の危機に立ち向かうのだ。

 

パンデミックレガシーはシーズン1・シーズン2・シーズン0(ゼロ)の連作。

わたしは2021年現在シーズン0をプレイしているが、続き物のため、毎回同じメンバーで卓を囲んでいる。

また、わたしの周囲でパンデミックレガシーが遊ばれ出した頃、「月1でレガシーを遊ぶ」月1手法が流行っていた。我々も伝統にのっとり上記手法を用いている。一気に何シナリオも遊ぶことも出来るが、ゲームの雰囲気と合っているし、毎月の楽しみと化すので、個人的には月1手法をオススメしたい。

一緒に遊ぶ仲間を見つけるのが1番難しい、という類のゲームだが、ぜひ1箱購入していただいて、家族や仲間と遊んでほしい。3年間を共に歩めるゲームはなかなか稀有であるよ。

 

アンドールの伝説

プレイヤーは勇者パーティの1人となり、国の脅威となる怪物たちとの過酷な戦いに臨む。ファンタジーの王道中の王道を体感できる、シナリオ付きの協力ゲームだ。

パンデミックレガシーとは違い、繰り返し遊ぶことが出来る。しかし降りかかるミッションや展開などはネタバレになるので、初めましてのプレイが1番刺激的だろう。(まぁ、わたしのように長期記憶が少ない人間にとっては、時間を空ければいつでも初プレイだ)

 

勇者が悪を討つというシンプルな導入。ルールはやや煩雑だが、異様に遊びやすい。それはひとえに精巧なルールブックのおかげだ。

ボードゲームの難点として、ルール説明問題がある。すんなりゲームを進めるためには誰かがルールを事前に読み、他メンバーに説明する必要が出てくる。

しかしアンドールの伝説では事前準備は必要ない。

ゲームの箱を開いたら、チュートリアル用のルールブックを全員で読み上げ、それに従ってゲームの用意を進める。するとセッティングも完了するし、勇者の動かし方から敵の倒し方まで把握できるような仕組みだ。

諸手を挙げて「アンドールは簡単だよ!!」とは言えぬが、手を動かしながらルールを学べるのは、脳への染み込み方が違う。すごくよいルールブックだと思う。

 

大きい盤面にはアンドールの世界が、まるで1つの絵画ごとく芸術的に描かれている。盤面はゆるやかに線で区切られマス目となっており、勇者駒を動かしていきながらモンスターと戦っていく。ファンタジーRPGが上手くボードゲーム化されており、運と戦略のバランスもよい。

登場するモンスターやアイテムが、いちいち美麗なグラフィックの駒になっているのも贅沢だ。

 

アンドールの作者、ミヒャエル・メンツェルさんに触れさせてほしい。

この方、元々ボードゲームの箱絵やボード絵などで素晴らしい作品を生みだしてきた、イラストレーターなのだ。

ボードゲームフリークにはお馴染み、カタンのイラストもミヒャエルさん。この記事きっかけに知ったので震えている…)

そんな才能煽るる芸術家が、初めてゲームデザインを担当したのが「アンドールの伝説」。処女作でこれとか化け物すぎませんか。みんな遊んでください。

 

エスペライゼーション

架空の言語体系を作り上げる、想像と語彙とを酷使する協力ゲームだ。

日本のゲームサークルtreehoppergamesさんより頒布されている。

 

未知の言語を生み出し、文明を発展させていくゲーム。

難しそうだがやることは極めて簡単。自分の手番では、お題の単語を他のメンバーに当ててもらえるよう言葉で説明する。

当てたら手番が次の人へ。一定数の単語を当てると、文明レベルが進み、お題の単語の難易度が上がるというもの。ね、簡単でしょ?

 

で。「言葉で説明する」という箇所について補足だ。

手番プレイヤーは「未知の言語」しか喋れないというのがルール。「日本語」は使えない。

 

ゲーム開始時、みんなで未知の言語のテンプレートをいくつか決めておく。

たとえば「火」を「ルルド」、「大きい」を「ツータン」と決めたとしよう。

お題の単語「火事」を説明するために「ツータンツータンツータン、ルルド」などと、決めておいた言語を組み合わせて表現しなくてはならない。

他にも細かいルールはあるが、大体こんな感じ。

 

言語体系を1から生みだし、徐々に語彙力が上がっていく、表現力の幅が広がっていく、世界が開けていく有様を実体験できる、すんばらしいゲーム。それなのにこのルールのシンプルさ!!

小箱なのに1ゲーム3〜4時間かかってしまうのも、難易度と没入感の高さゆえだ。

何度も遊べない理由としては、お題の単語が予想できてしまうと、難易度がガクッと下がってしまう。なので、遊ぶにしてもメンバーを変えるか、ある程度時間を空けるしかないのが難点。

 

だとしても!エスペライゼーションは遊ぶべきゲームである事実は揺るぎない。言語が違うゆえに意図が伝わらない孤独さ、言語体系を完成させた充実感は、何よりかけがえのない経験となり得る。わたしももう1度遊びたい。

 

 

 

ようやく書ききったのでここに公開する。

あまりに時間がかかったので、推しゲーが増えつつあるがまたの機会に書くことにしよう。

ここまで読んでくれた方がいたら…感謝!!物好きですか!!??

みんなボードゲーム遊ぼう!!!

*1:今時でいうと推しゲーだが、鉄板という言い方が割と好きである

*2:複数で遊んでいるのに、1人で遊んでいるようなプレイ感のゲーム。相手の行動に影響を受けづらいゲーム