腹に力を込めろと言われても
今更、先週の日曜の話をする。
相変わらず景気の悪い話題だが、日曜はひどく心の調子が悪かった。
あくる朝には調子が戻ったが、それにしてもひどい落ち込みっぷり。
何が理由かはさておき(自分の場合、大体が己の心の弱さが原因だとわかっている)、人にとって1番最悪な状態は「腹に力が入らない」ときだとわかったので、記録に残しておく。
日曜の昼。仕事関連で些細な指摘を受けた。
妙にショックを受けたそのときだ。下腹部辺り、いわゆる丹田周辺から、スコンと何かが抜け落ちた気配がした。体の支えがなくなってしまったような感じ。すかすかで空虚。
演劇かダンスかヨガを嗜む人なら、丹田の重要性は耳にタコができるほど聞くだろう。肉体や精神の中心部だ。パワーの源だ。チャクラだ。
それじゃあ丹田に力を込め直せばいいじゃないかと頭では思う。しかし、力を込める意欲が全くわかないのだ。
そして心の底から湧き出てきたのは、恐ろしいほどの自己嫌悪。
仕事を乗り切ったあとも体に力が入らない。何かしら作業をしていないと、蒟蒻のようにぐにゃぐにゃしてしまう。随分時間が経ったのに状態が回復しないのに戸惑う。最近は立ち直る時間が速くなったと思っていたのに。
普段ならここで、自分の殻に閉じこもったりしない。
旦那と話をしたり、日記に思いのたけをぶつけたり、友達にLINEしたり、温かい飲み物を飲んだり、うつヌケなどの本を読んだり、美味しいものを食べたり、自分をとにかく慰めたり褒めたり。
とにかく何かしら行動に移す。
ぐるんぐるん渦巻く仄暗い感情を抱えたまま、己の内に籠ることほど生産性のないことはない。
だが今回は、それらすべての意欲が削がれていた。
話したくない、頼りたくない、行動したくない。救われたくもない。とにかく何もしたくない。
死ぬまでにやりたいことリストの項目を思い浮かべても幸福感は戻ってこない。目は開いているのに、感情が1ミリも動かない。
唐突にも、
あぁ、こういうとき、人は人生の最期を迎えてしまうのかもしれないと思った。
「命を絶つ前に相談してくれたら」
「何故その手をこちらに伸ばしてくれなかったんだ」
残された人々はそう言って悔いる。
自死の選択をした人の心境は如何ほどか、わたしには想像つかない。
しかし、手を伸ばす欲求すら枯渇する瞬間があるのではと、そのとき思った。
生のエネルギーが尽きるかわりに、死を選ぶことができるのか。生と死の国境線を渡る瞬間にこそ、爆発的なエネルギーが必要になりそうなものだが。わからない。
死にたい。でも死を選ぶほどの勇気も元気もない。そんなわたしが選んだのは惰眠を貪る道だ。
布団に寝ころび、毛布を頭の上まで引き寄せ、何度も寝返りを打ち、シクシクしながら目をつぶった。
深夜、頭痛と喉の渇きで目を覚ました。グレープフルーツの炭酸水を飲み、また布団に体を横たえた。
そして早朝。
嘘のように気分はすっかり回復。
エネルギーも湧いて「え?わたしいつも元気ですけど?」みたいな顔してたかもしれん。
結局、睡眠しか勝たん。
寝るのが1番手っ取り早い。
自暴自棄になる時は、大体疲れている時だと聞いたことがある。
安易に睡眠をとるべきだ。昨夜の眠りは惰眠などではなかったのだ。たぶん。
今回は眠る時間がとれたからよかったものの、あんな状態が長期間続いたら、針がいつか振りきれるかもしれない。(未だかつてそんな状況に陥ったことはないので、あくまで想像だが)常に腹に力が入らない人は…ほんとに気を付けて。
自身の心の弱さを肝に銘じ、落ち込んだら寝る!!無理しねぇ!!の精神でこれからも過ごしていきたい。