M-1グランプリ2021の雑多な感想を綴る
M-1グランプリ2021、ひじょー---------に面白かった…!
年末の風物詩といえるM-1だけど、ここ数年はリアルタイム視聴を逃していた。放送翌日に録画を視聴する頃にはTwitterでネタバレをくらっていて、誰が優勝したのかはもちろん、誰が敗者復活したのかも既知の状態。
しかし今年は一切の情報を遮断し、完全初見で録画視聴に成功。非常に楽しく見ごたえがあったため、M-1グランプリ2021の出場順に、雑多に感想を記していく。
※あくまで個人的感想です。
- 1、モグライダー
- 2、ランジャタイ
- 3、ゆにばーす
- 4、ハライチ
- 5、真空ジェシカ
- 6、オズワルド
- 7、ロングコートダディ
- 8、錦鯉
- 9、インディアンス
- 10、もも
- 最終決戦 インディアンス
- 最終決戦 錦鯉
- 最終決戦 オズワルド
- 結果
- 余談1:敗者復活
- 余談2:巨人師匠のパネル
- 余談3:どん兵衛のCM
1、モグライダー
トップバッターは毎回会場の空気感との戦いだ。どうなるだろうかと思ったが、どこかハッピーなネタで、一気に会場が盛り上がった気がする。
懸命に星座を羅列する、ともしげさんのポンコツ加減が愛らしい。美川さんになりきる芝さんの表情もコミカル。「さそり座の女」が軸なので漫才としてのテンポはちと悪いが、安心して笑えた。
2人の一撃で賞レースのピリピリした雰囲気が、一気に和んだと思う。モグライダーがM-1のトップバッターでよかった!
ともしげさんの天然ぶりはいじられキャラとして優秀すぎるし、芝さんも「じゃない方」として扱われるにはキャラ立ちしすぎてる。
来年のバラエティ番組で、モグライダーが活躍する姿が見える…。
2、ランジャタイ
今回のM-1で最も出番順が気になっていたコンビ。
有吉の壁を見てアングラな世界観の2人だなとは思っていたが、ネタを見るのは初めて。トム・ブラウンやマジカルラブリーどころじゃない奇天烈さ。評価は100点か0点に分かれるのではと、事前情報も極端。
2番目にもう出てくるの?
わたしと同年の国崎さんと、旦那と同郷の伊藤さん。ドキドキしちゃうよ。
彼らは「客が笑うまでやる」スタイルと聞き及んでいた。
納得。途中でもうしょうがないな!!!と笑ってしまった。しかも4分のネタ内で同じ流れを再放送。メンタルが強い!
得点発表の際も、審査員が頭を抱えていて笑った。これだけで印象勝ちでしょ。
決勝会場への移動から退場まで、芸人としての立ち振る舞いが完璧で好きになってしまった。国崎さんの狂気的な笑顔と、伊藤さんの「普通」を装う表情が好きだ。
これから2人を追いかけたいと思います。
富澤さんの「決勝だぞ、お前ら!?」のコメント、愛がありましたね。
3、ゆにばーす
M-1に人生を賭した川瀬さんが、決勝の舞台に登場してくれて嬉しい。はらちゃんにも思い入れがある。わたしが初めて生のお笑いライブを拝見したとき、出演者の1人がはらちゃんであった。声が特徴的な小柄な女性が、男性陣の中にあってハツラツと振舞っていたのが忘れられぬ。
ランジャタイの次手番で会場には緊張感があったが、川瀬さんのしゃべくり、心地よかった~。以前よりはらちゃんの喋りがどっしりとして安定感があった。コンビとして粗削り感が減り、洗練されて完成度が上がった!と感激する反面、はらちゃんの素朴な喋り口調が聞けなくなって、ちょっと寂しい。
ラストのエンジンのかかり具合がよかった…!これこれ、これが漫才!て感じ。
性を扱うネタなので好みが分かれると思う。自分も少々笑いづらかった。ただ万人に受けるネタは川瀬さんらしさが薄れる気がするので、ゆにばーすはこれでいいと思う。
わりとお行儀がよかったので、もっと暴れ狂う、猛り狂う2人が見たいとも思う。
4、ハライチ
しっかり敗者復活から勝ち上がってきたハライチ。
岩井さんが爆発して、澤部さんがたしなめるスタイルはハライチとしては確かに新しかった。ただアクセルかかるまで遅く感じたのと、否定言葉が多く笑いづらかった。泣き叫んでいる人を見ると冷めてしまうので、ハライチ的新境地も刺さらなかった。
単にわたしの好みじゃなかっただけだ。岩井さんの感情の猛りが、笑いのツボに直撃する人もいただろう。
人によって笑えるネタと、笑えないネタとの違いは何だろう。たぶん生きていくうちに身についた感性や、受容できる領域・世界観によって変わるんだろうな。
5、真空ジェシカ
真空ジェシカもネタを見るのは初めて。しかも事前情報は一切なし。
見た目がキャッチーで凛としているのに、喋りだすとこちらの庇護欲を掻き立てる、可愛らしいお2人。
ボケの切り口が面白いし、ワードセンスが抜群だ。山場がないまま突如終わるのには驚いたが、見れば見るほどじわじわハマってくる。このまま20分程ひたすら見ていたかったな。
審査員の着眼点が素晴らしすぎる一言が、上沼さんの「もっと笑いたかった」の感想。真空ジェシカのネタはセンスの塊としか言いようがない。SOSのサインをはじめ、流行りをいち早くネタに取り入れる貪欲さも憧れる。ただそう、どこかでどかんと笑いたかったな。
それはそれとして、また注目のコンビが増えてしまった。来年のバラエティ番組何度もお目にかかって、2人のことをもっと知りたい。
6、オズワルド
3年連続の決勝進出のオズワルド。そろそろ安定感がある笑いが欲しい。ランジャタイのようにヒヤヒヤせず(ある意味誉め言葉)、ストレートに笑いたい!と、願いをかけていた。
結論。よかった!!伊藤さんのツッコミによる、テンポの火力調整が上手い~!!
最初は恐ろしく静かな喋り出し。淡々と、しかし確実にポイントを決める畠中さんのボケに、伊藤さんのツッコミがうねりを作る。
テンポがよいし、声量や体のわずかな動きで見せ場をしっかり作っていた。センターマイクを離れず、話芸だけで魅せる。オズワルドって、こんなに漫才上手かったっけ!!と驚愕。
今年は畠中さんのサイコパスなキャラが際立ち、より漫才に厚みが出た気がする。迷いがなくストレートな物言いのボケ、聞きやすいわぁ~~。
漫才披露後、巨人師匠と松本さんに対し「トムとジェリー」と語るコメント力も強い。
オズワルドよ、綺麗に優勝してくれと願った。
7、ロングコートダディ
キングオブコント2020で初めて拝見したロングコートダディ。段ボールを延々と積み重ねるという、賽の河原のようなシュールなコントをしていた2人が、M-1に上がってくるのか!と密かに注目していた。
出番直前、笑神籤を落とされた懸念を吹き飛ばすほど、ネタは面白かった!!
「わに」→「肉うどん」の流れは意表をつかれた。肉うどん!!!???って言いたくなっちゃうよね。
柔らかな笑みを浮かべ、着実にボケる堂前さん。M-1の大舞台に関わらず、異様な落ち着きを見せていたのに好感。対照的にリアクションがでかく表情豊かな兎さん。愉快。
ボケとツッコミのキャラクターがわかりやすく、笑いやすかった。元来コント師だからか、2人とも見せ方が上手い…!
ただセンターマイクをずっと離れているのは、視聴者側も気になった。巨人師匠の「掛け合いが速い方がもっと笑いがとれたんじゃないかな」の鑑識眼に脱帽。マイクを挟んでテンポアップしたネタも見てみたいな。
来年確実に仕事量が増えるロングコートダディ。肉うどんのCMと、有吉の壁の出演待ってます。ザ・マミィ林田さんと、シソンヌじろうさん、似た顔3人の共演も待ち遠しい。
8、錦鯉
昨年のM-1グランプリで名を上げ、有吉の壁でも常連メンバーに落ち着いた。
去年のパチンコネタも強烈だったし、何より渡辺さんの落ち着いたツッコミがピカイチ。今年は何を見せてくれるんだろうという期待感はあった。
始まってみると、まさのりさんのボケは全開!
ネタにおいて、ツッコミ側が火力調整をするもんだと思っていたが、相方の渡辺さんですら手を焼く、恐ろしいボケの核弾頭・長谷川雅紀。
弱火・中火などといった、かったるいものはない。あるのは強火 or 超”強”火”。
合コンネタという典型的な設定。賞レースの大舞台に関わらず、まさのりさんの言葉のたどたどしいこと。立ち上がりに不安はあったものの、「電気椅子!!」「ひ・ざ!!!」とワードが次々にお茶の間へ被弾。瞬間風速が凄まじく、どうしようもなく笑ってしまった。
発表された合計得点が思いのほか高く、少し驚く。洗練さには欠けていたのに。
けど。確かにあの瞬間風速に翻弄されてしまったのだからしょうがない!
マジカルラブリーが優勝したとき「漫才か漫才じゃないか」論争が巻き起こったが、結局「ウケるかウケないか」が勝負だと学んだ。錦鯉はスタンダードなしゃべくり漫才とは一線を画している。けどそれがなんだ!
気持ちよく笑わせてくれてありがとう!!
9、インディアンス
わたしが初めて行ったお笑いライブin渋谷ーーはらちゃんを初めて見つけたとき、同じ舞台に田渕さんがいた。真夏のヒマワリのような底抜けの明るさと、豪速球のボケスピードを併せ持つ、天性の芸人。一瞬で好きになって、ひっそり応援していたので、初めてM-1に出場したときは嬉しかったな。今年も無事に決勝戦へと上がってきてくれたので、楽しみにしていたコンビの1つ。
今年のインディアンスは、めっちゃネタが見やすかった!!
以前は田渕さんが終始ボケたおしていた感があるけど、今年はきむさんが田渕さんの手綱をしっかり握りしめてくれていた!ツッコミとボケのパワーバランスが一致するって大事ね。アンタッチャブルをふと思い出したり。
ネタはNON STYLEの芸風と重なる面があった。超ハイスピード漫才。次から次へと押し寄せるボケの波に打たれるのが心地よい。
2人の掛け合いがとにかく楽しそうで、見ているだけでニコニコしてしまう。場の空気を最も上手く掴んでいた気がする。
表現が悪くて申し訳ないのだが、きむさんは高いねずみのような声をしている。印象的。田渕さんは低めのがさっとした声。対照的なので聞き取りやすく、耳なじみがよい。2人の相性がとにかくいいなぁ。
あと楽天モバイルってネタにされてそうで、されていないので、新鮮であった。
10、もも
真空ジェシカ同様、事前情報なしで初めてネタを見る。結成4年で初出場とは、早咲きにもほどがある。しかも今回の出場者で20代は彼らだけじゃないか。20代から50代まで決勝進出できるM-1。夢がある。
2人の見た目が対照的だし、大阪のしゃべくり漫才が好きなので楽しみである。
始まってみると、見た目のギャップを活かしたネタをやり通したもも。その男気がすごい。せめるさんとまもるさんの、見た目と性格が真逆なのも、運命の悪戯に感謝。
見た目をいじられるときは、前に顔を向けるのがいい。
声の大きさが終始一定なのが少し残念。山場も少々わかりづらかった。ただ4年目で独自のシステムを作り出し、そのクオリティの高さたるや、すさまじい。声の強弱がついたら一段と素敵なしゃべくり漫才してくれそう。今後がめちゃめちゃ楽しみ。
松本さんの「3年後、優勝顔」のコメントに、「1年後優勝しにきます」と答えるガッツもよいわ~~!
M-1では、ガツガツ前のめりになる芸人さんを見たいと思ってしまう。この辺りは好みの問題だけど。
さて、ここから最終決戦。
最終決戦 インディアンス
9組目にインディアンスを見たあと、最終決戦1組目でインディアンスは、ちょいとおかわりのタイミングが速すぎた。
ボケの剛速球を受け止め続ける形になるので、お腹いっぱいになってしまった。しかしまあ2本目もテンポがよいのに変わりはない。完成度は高くて、申し分ない。
もう1つ、爆発が欲しかった気がする。
最終決戦 錦鯉
2本目のネタがどうなるか心配していたが、めっちゃ体使ってきたなあ。
「あ!猿が森に!」という台詞に対し、渡辺さんの「じゃあいいじゃねえか」の静かなツッコミ。笑えるのに、妙に癒された。
バナナネタで天丼が始まり、
「3回も繰り返してるぞ!?」
「まさのりさんどこに行くの!!??」
「誰かこの機関車を止めて!!!」
と、笑いと同時に脳内がむちゃくちゃになってきたところに、まさのりさんをそーっと横たえるモーション。動から静への急降下。めっちゃ笑った………これはいい………よすぎた…………。録画何回見直しても笑ってしまったよ。
最終決戦 オズワルド
賑やかな2組が続いたから、正統派漫才のオズワルドは有利かもと思っていた。
が、設定がわかりづらく途中で一瞬彼らを見失った。
伊藤さんのツッコミがうまくて、笑いたいとこで笑えたのが気持ちいい。作りこみすぎている気もしたけど、一番漫才していたと思う。
結果
個人的にはオズワルドに優勝トロフィーをとってほしかった。
1本目のネタはピカイチだったし、10組中、1番漫才をしていた。
総合点は高いはず……いける……!
結果発表の際、巨人師匠が「オズワルド」に投票したとき、そう思った。
ただ………、今大会で火力が1番強かったのは、確かに錦鯉だった…!
認めざるを得ない……だってまさのりさんを横たえるの、面白いもん!!
1番バカバカしくて、気持ちよく笑えたもん!!
本当におめでとうございます錦鯉!!有吉の壁にまたチャンピオンが増えたよ!!
凱旋を楽しみにしています!!!!
余談
余談1:敗者復活
敗者復活候補、ラスト3組に残ったのはハライチ、男性ブランコ、金属バット。
男性ブランコがここまで残ってくれてるの嬉しい~~。今年のキングオブコントで一気に好きになったのよね。2人の毒がない癒しの空気感が好きなのよ。
ニューヨークの嶋佐さんの敗者コメントが、相変わらずとがっていてよい。芸人はこうでなきゃ。
金属バット友保さんの「吉本ギャラあげてくれや!」も好き。
優勝するかは別にしてもさ、男性ブランコか金属バットに勝ち上がってほしかったなとないものねだりをしたりして。金属バットが熱っぽく賞を追いかける様、大舞台で見たいのよ。
余談2:巨人師匠のパネル
敗退の場面で、巨人師匠のパネルでボケるランジャタイ。
怖いものなしかよ!と思っていたら、「パネル持ってうろちょろしてるのは知ってた」「本人たちから手紙をもらった」と巨人師匠からのコメント!2人とも真面目かよ!ええやつかよ!はい、さらに好きになった。
余談3:どん兵衛のCM
どんぎつねさんとお喋りしている眼鏡の方。あれ?と思ってみていたら、こがけんさん!!??
星野源さんの場所を……!!!????もはや日清さんからいじられてない?
しかもCMラストに「ありがとうございまぁす」のお声も。とろサーモン久保田さん、なんで?????
謎に包まれてるけど、こがけんさんも久保田さんも、CMよかったね!!来年も2人の活躍楽しみにしています。
以上!
CM含めて、最初から最後まで楽しめたM-1グランプリ2021。
アナザーストーリーも録画してきっちり見ます!!
来年は絶対、生でお笑いライブ見に行くぞー--!