書きたい分だけ書くブログ

冗長な戯言(たわごと)をつらつらと

ボルシチをつくって、ボンヤリ思う

ロシアとウクライナの戦争が続いている。ロシアが本格的に軍事侵攻を開始したのが2022年2月24日。気づけば2ヶ月近くも経過している。ウクライナの人たちにしたらあまりにも長期的な、心休まらぬ日々だったろう。


ウクライナのジャーナリストのAnastasiiaさんや、KyivPostさんをSNSでフォローするようになり、ウクライナ情勢のほか、多種多様なニュースを目にするようになった。

twitter.com

twitter.com


その中で気になったのが、ハフポストのボルシチの記事だ。


www.huffingtonpost.jp


日本でもロシア関連のお店に対し嫌がらせが行われている。ネットでの誹謗中傷、低評価、直接的な被害も出ているという。そんなヘイトに警鐘を鳴らすと同時に、理解と認識を促したのが記事にある老舗洋菓子店。コロナ禍以前、喫茶コーナーで提供していたボルシチのレシピをインスタグラムで公開したという。


記事にはこうある。

近江屋洋菓子店はレシピの公開について「その国の食事を作り食べることは、文化を知る入り口になると思ったことがきっかけです。食という切り口から文化を知り、少しでも世界が平和になってほしいと願いを込めました」と話しており、強く共感しました。


レシピを見ると意外に作りやすそうだったのでチャレンジしてみることに。
生のビーツは手に入らなかったので缶詰で代用。薄切りになった赤紫色のビーツを縦に重ね、ちょんちょんといちょう切り。缶詰を使い切るべく、予定量より多めに投入。牛肉はちょっぴりいい肉を使い、サイコロ状にカット。トマトもキャベツもレシピ通りに下準備。料理が習慣になりつつある初心者クッカーのため、野菜を刻むだけでも何やら楽しい。
最後にまとめて煮込みまして、できたのがこちら。


f:id:clton:20220410172210j:plain


スープはビーツの酸味が効いているが、野菜と牛肉の甘さが際立ち、共に頬張ることで野趣あふれる味に。洋食だからサイドメニューは小麦だろうと、トーストやスコーンと共に食したが、今思えば、白米の甘味とコラボしたほうがよかったかもしれぬ。素材の味が活きており、意外と旨いな、これ旨いなと食べ進むうち、あっという間に完食。わたしの料理の腕に懐疑的な旦那も「美味しい」と感想をくれた。確かに本当に美味しかった。機会があればまた作りたいと思う。


今も戦争が続いている。残酷な事実。
遠く離れたここからでは何もできぬと、自身の矮小さをひけらかすこともできるが、それをして何になると己に問う。ウクライナ発祥、今やロシア料理の代表格のボルシチをすすりながら、平和と文化の味を噛みしめた。レシピがくれた平安に感謝し、自分サイズで出来ることに取り組む。それが将来、身近な誰かの平和に寄与できたらとても嬉しいと、ボンヤリ思う。