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【漫画感想】ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん1〜3

読んだ本・漫画の備忘録&感想です。

今回は「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

内容にネタバレを含みますので、ぜひ読了後にお読みください。

 

 

 

 

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん1

 

 

ーーもしや

これこそが我ら王族のみに聴こえるという

伝説の『神の声』なのか…!?

 

物語の概要

女性向け恋愛シミュレーション『マジカルに恋して』

通称『まじこい』に登場する悪役令嬢、リーゼロッテ。人知れず苦しみを抱える彼女は、ほぼ全てのルートで死ぬ運命にあった。

放送部の遠藤くんと小林さんが画面越しにリーゼロッテの恋路を応援していると、その熱烈な実況が、リーゼロッテの婚約者ジークヴァルトに届いて…。

最高を超えた最高のハッピーエンドを目指して、2人は今立ち上がる。

 

 

ネタバレ感想

真面目で慈しみがあるのに、とんでもなく素直じゃないリーゼロッテ。手を差し伸べたいのに、却って人を傷つける振舞いをしてしまうのは何故か。思考回路を理解できない自分はまだまだ未熟だと感じる。

 

誤解されがちな彼女の心を、遠藤くんや小林さん、ジークが読み解き、本心を白日の下に晒す。リーゼにはなかなかに恥ずかしいことだろう。羞恥を感じた際、全力で恥ずかしがってくれるリーゼが可愛い。ツンデレと称されるが、「恥ずかしくないもん!」と意地は張らない。いや、張れないところが隙がある。よい。

事実が許容できず恥ずかしい訳で。リーゼは自信がないのね。好意を向けられる経験が少ないのかしら。公爵家の長女、そして王位継承者の婚約者という重圧もあるんだろうな。

一方ジークはどうしてあれほど素直なのか。神の声に疑いの眼を向けることなく、一心に行動できる。信心深さとは時に恐ろしいものよ。ジークが真人間でよかった。

 

真面目に努力した人間は報われてほしい、願わくば想い人と結ばれてほしい。そんな理想を空論と馬鹿にせず、キュートなリボンをつけて読者に差し出してくれる。砂糖菓子のような物語。

 

 

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん2

 

 

私がルールやしきたりを知らずに失敗したとき

遠巻きに笑うんじゃなく

ちゃんと叱って教えてくださるのは

リーゼロッテ様だけなんです

 

物語の概要

実況でハッピーエンドを目指す遠藤くんと小林さんは、ゲームの奇妙な事実に気づく。

ゲームが進むほどにリーゼロッテはフィーネと親交を深めていくが、その様子を見た婚約者ジークヴァルトにも気持ちの変化が訪れて…。

フィーネと護衛騎士バルの関係も深掘りされる、ツンデレコメディ第2巻。

 

 

ネタバレ感想

登場人物の心の成長は、読者の心の栄養分である。2巻もよかった。

ジークがリーゼへの気持ちを言葉に出来たのが尊い。素直になれない彼女をおもんぱかり、愛情を返してやる。2人の不器用な返歌よ。美しい。

リーゼも愛されている自覚を持てたらいいのにと思うが、物語の肝の部分なので、そう簡単に丸く収まっては困る。

一方、リーゼの一途さに突き動かされ、ジークに恋の自覚。王太子キャラなのに一切擦れず実直な彼の恋は、青春ドラマのように清々しい。2人には略奪愛のようなドロドロした関係性がなく、ストレートに応援できるのが嬉しい。

 

バルの無自覚はやっかい極まりない。直感的なフィーネとよい相性だ。

恋や愛の形は人それぞれだ。言葉であれ、行為であれ、その形を正しく理解し表現するには確かに時間がかかる。リーゼとジークは愛を自覚し表現する段階にあるが、バルとフィーネは恋の芽生えの段階。うずうずし、芽吹く、春。桃がこぼれるように咲くような、瑞々しい恋になるとよいな。

 

 

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん3

 

ヘタレ!!

 

 

物語の概要

リーフェンシュタール領で夏休みを謳歌するリーゼロッテとフィーネ。突如爆撃と共に2人の前へ現れたフィーネの母親は、意外な真実を明らかにして…?

遠藤くんと小林さんもついにデートをすることに!街中で出会ったある人物がこれからのゲームに与える影響とは?

現実とゲームとがじわじわ混ざり合ってゆく、第3巻。

 

 

ネタバレ感想

2巻はやや空気気味だった遠藤くんと小林さんの恋が進展。2人の身長差がとてもかわゆいのです。

現実は現実、ゲームはゲームで恋愛模様が進展するかと思いきや、謎の人物・久遠の登場で、一気に2つの世界が絡み合う。見せ方がとてもお上手でワクワクします。

 

今巻はリーゼの策略家っぷりに惚れ惚れしました。ページをめくって「ヘタレ!」の台詞が目に飛び込んできた瞬間、「そうーーーー!!誰かバルに言ってくれって思ってたのーー!!」と内心絶叫。

ようやくフィーネへの愛を自覚し、身を捧げる決意を強固にしたバルの前に、本人がご登場。クローゼットの中で三角座りして、両手で口をおさえ真っ赤になったフィーネ。可愛いがすぎる。弱り果て立ち尽くすバルの前で、脳筋の彼女がしおらしくしている様は、何て絵になるんでしょう。わたしはクローゼットになりたい。

 

しかしまあ頼りになるぞリーゼロッテ!と思っていたら、リーゼの心にも黒い影が忍び寄る。フィーネはゲーム内の記録がフラッシュバックしていたが、もしかしてリーゼにもifの世界線が見えているのだろうか。

どうか想い人を頼むぞジーク。バルのようにヘタれている時間はないぞ。