青森県は平内町でサビキ釣りをしてきた備忘録
海釣りに行く機会に恵まれたので、備忘録がてら記録を残す。
場所は青森の平内町(ひらないまち)
参加者は父・わたし・旦那。
父の知人であり、釣りが趣味のKさんにご指導いただいた。
天気は曇り。無風。
14時半にKさんとコンビニにて待ち合わせ。
少し移動のち漁港に到着。
Kさんが釣り竿やバケツ、ひしゃく、三脚タイプの竿受けまで用具一式を持参。父と共に準備してくれる。
エサは冷凍の生オキアミ。
バケツにオキアミを移し、海水を多少入れると使いやすいという。
今日は「サビキ釣り」なる釣り方に挑戦。
エサに似せた疑似針を連ねた糸をつけ、先には小さなカゴをつける。
カゴにオキアミを入れて海に投げ入れた後、サオを上下にぐいと3回ほど動かす。
するとカゴの中のオキアミが撒かれ、魚が寄ってきたところを、針に食いつかせる。
という釣り方らしい。
疑似針が3本付いた糸を使用。6本の糸もあるらしいが、前回父が釣りに来た際、釣れすぎて困ったらしく、3本にしておく。
15時頃から釣り開始。
釣り初心者のわたしが竿の振り方を習う横で、ビュンビュンと竿をしならせ釣りを満喫する父と旦那。
針を海に入れたあと、糸を垂らしてひたすら待つというイメージがあったが大間違い。
カゴのオキアミを巻いてしばし待ったあと、ウキに反応がなかったらリールを巻いて回収。再びオキアミを入れ、海に投げ入れる。一連の流れを頻繁に繰り返すので、わりと忙しい。
記念すべき第一号は、旦那が釣ったタナゴ。
そのうち小魚が釣れ出し、ボウズにならずホッとする一同。
16時過ぎから徐々に太陽が落ち始め、一同夕焼けに照らされる。
色鮮やかな紅葉と夕日が海面を染める。刻々と時が流れていく様が、とても穏やかに感じられる。来てよかったなと改めて実感。
Kさん曰く、魚が最も釣れる時間帯は日の出から30分と、日の入りから30分らしい。
確かに日暮れに近づくにつれ、釣れる頻度が高くなってきた。
遠くを眺めると、水面が揺れてそこかしこで魚がぴちぴちと跳ねているではないか。
しかも徐々にこちらに近づいてきて、釣り場から5メートルと離れていない位置で細かな飛沫があがる。
盛り上がってまいりました!とばかりに竿を振ると、2匹、3匹と釣れる。
これが入れ食いというやつか…。
日の入りの時間帯、魚群は漁港内を回遊するらしい。
お祭りタイムは10分とたたないうちに終了したが、魚たちの軌跡、自然の驚異を目の当たりにして興奮した。
日が暮れたあとは、ウキに緑色のランプを点けてもらって続行するも、17時には終了。
懐中電灯とスマホのライトで足早に用具を片付け、これまたKさんが持参した水とアルコールで手を消毒して解散。タオルすら持ってこなかった己を反省。
本日の成果は、34匹。
ほぼ小魚。
イワシ 約20匹
タナゴ 5~6匹
アジ 4~5匹
サバ 1匹
タイ 1匹
父がまさかのタイを釣り上げる。
料理係の義母に写真を送ったところ、「ええええええっ」「うわー」「すげー」と大喜び。
これがそのタイ。
でも小魚でも面構えは立派なタイよ。勇ましいわ。鯛のお頭だわ。と言ったら家族に笑われた。
釣れたのが一般流通していない小魚でも、己の手で釣った喜びは大きい。
釣れた魚を手で掴むと、軍手一面に銀色の鱗がつく発見。極めて小刻みに震える魚にビビッて、針を外せなかった悔しさ。帰宅しての魚の下処理に何の抵抗も覚えず、むしろ楽しさを覚える自分自身に対しての「偽善者め」という感想。
全てが新鮮であった。
わたしが青森に住んでいて一番喜びを覚えるのは、魚や果物、山菜やキノコなど、自然の恵みを享受したときだ。
青森は海産物・農産物共にバランスよく生産されているし、採取もできる。
キノコ採りのように危険と隣り合わせの行為も多いが、多種多様な物が取れるし、父のようにライフワークになっている人も少なくない。
Kさんは毎日のように釣りをしているらしいし。義母曰く「ちょっと裏の畑の芋取ってくる」という感覚らしい。
自分や旦那は父に誘われ同行することが多い。
この経験を通じて青森の食材や自然に明るくなっていきたいと思う。
最後に魚の下処理の備忘録を残し、日記を終える。
胸ビレやや手前から、斜めに刃を入れ(両側から)頭をおとす。
尻尾もおとす。骨があり切りづらいので注意。
白色の腹部を3分の2ほど縦に開いていき、内臓を抜く。
内臓に謎の細いスジもついているが、わりときれいに抜ける。
開いた身に手を入れ、中と外とを水洗い。完了。
タナゴ
背ビレが鋭いので、ハサミでパチパチと切ったあと、イワシ同様処理。
胸ビレの下から頭に向かって斜めに包丁を入れる。
アジ
尻尾から頭部に向かって、ゼイゴという骨が浮き出ている。
ゼイゴは包丁で薄くそぎ、タナゴ同様処理。
サバ
タナゴ同様に処理。文様が極めて美しい。うっとり。
タイ
小さい。けど立派な面構え。桃色。
タナゴ同様処理。
全て義母に天ぷらにしてもらい、3分の2は南蛮漬けに。残りは塩コショウでいただく。
釣りたてなので臭み一切なし。美味すぎる…。
旦那と父は北海道限定のサッポロクラシックで一杯やる。いいねぇ。
タイも南蛮漬けになるなんて思ってなかったろうな。