ナポリの男たち「狂気山脈~邪神の山嶺」が……最高すぎた……
ナポリの男たちの「狂気山脈~邪神の山嶺」を視聴し終わった。
動画が面白すぎて溜息が止まらないので、余韻が消える前に感想を残す。
※シナリオ+動画のネタバレあります。上記シナリオ未プレイ。動画見視聴の方はブラウザバックをお願いします。こんなブログでネタバレするのは非常に勿体ないです。しかと自分の目で結末を見届けることをおススメします。
ナポリの男たちのメンバー、ジャック・オ・蘭たん、すぎる、hacchi、shu3の4人が、
えべたん・杉山徹心・八木山・志海三郎となり、狂気山脈を登頂。7時間13分という長丁場を演じきった。
まずこの動画が投稿されたこと自体に感謝を。素晴らしい動画だった。
思いのたけを連ねていく。
むつー/GM
進行役として、システム管理の腕もさることながら、NPCを演じ分け、登場人物に即した展開を即興で作りだす技術がすごかった。物語描写をしたすぐあとに、個性の違う3人のNPCとして喋り出すんだもの。しかもちゃんとプレイヤーたちと会話してる。
K2が吐血して梓に連れられて下山する際、えべたんに思いを託すシーン。
七浦の手記にある八木山へのメッセージ、「君はまだ終わっていない」。
下山後の病院で、コージーとえべたんがインスタアカウントを交換し合う姿。
全部むつーさんの演出だよ…。粋でしかない。TRPGってこんなにドラマチックになるんや…。手記の場面はリアルに泣いた…。
他の動画も視聴するからな…これからも動画投稿頼みますよ、むつーさん…!!
ジャック・オ・蘭たん/えべたん
最初えべたんは自分本位で我が道を行くキャラクターだったけど、物語が進むにつれて人情味あふれるキャラになってった。
えべたんの妙に心に残ってる台詞は、コージーが第一次登山隊を軽視した発言をするシーンのこれ。
「コージー本気で思ってんのそれ?」
「可愛くないコージー。そういうこと言うのやめな」
地味かもしれないけど、動画で1番最初に心を打たれたシーンだった。
蘭たんってこんなに他人を思いやれる人だったのか。
蘭たんの実況スタイルはよく知らないが、NPCを雑に扱わない姿勢が嬉しかった。
物語中も、えべたんが1番NPCに絡みにいっていた。
狂気山脈が鳴動し始めたときも「早く梓ちゃんに会いたいから下山したい」と言ってたし、K2と2人で狂気山脈の頂に立ったことをEDで描写してくれた。
可哀想な役どころになりがちなコージーともえべたんは向き合い、コージーは単なる嫌味なキャラから、人間らしい弱さを持った、イジられがちの可愛い青年へと輪郭を変えた。登り方を教えてくれと首を垂れる強さを持ったのは、えべたんのおかげだよなコージー!
ボイスチェンジャーの声はどんどん不自然さがなくなり、視聴終了後の今、もう2度とえべたんに会えないのが寂しくて仕方ない。
心理的負担をかけることなく、他者の思いを汲み取ることのできるえべたん。その精神的身軽さが何より眩しかった。K2を頂へ連れていってくれてありがとう。コージーに救いをくれてありがとう。
すぎる/杉山徹心
1人実況の逆裁は見ていたけれど、4人実況になるとやや声色が控えめなすぎるさん。
徹心は最初クールぶっていたけれど、慣れてくるにつれ人情味がだだもれていた。愛しい。ただのすぎるさん。そこがよい。
また同時にかなりのトラブルメーカーであった。
漆黒のナビゲートロールで、自分以外の全員を高山病にしたのには笑った。
徹心の印象的な台詞は、EDのえべたんとコージーのシーンでのこれ。
「キス?」
いやちょっと2人の恋愛模様あるんじゃね?と視聴者的にも妄想が膨らんできたときに、これだもんなー!グッジョブ。
あとパラシュートで降下する際、遠ーーくから他3人に喋りかけるのもよかった。
スタート時の筋肉キャラから、えべたんに影響されてTikTokやタピオカが好きになるのはまあわかる。しかし徹心が下山後、原宿でタピオカ屋を開くことになるとは、誰が予想できたであろう。
既に流行りが過ぎたタピオカ屋を営み、みんなを、共に過ごした仲間たちを…この店で待っているんだと…。なんて…なんて切ないEDなんだよ……。
メンバーとの過去を抱え続ける徹心。それは彼らが還る場所を守ろうとする、徹心なりの償いであり、弔いであり、希望でもある。目のキラキラはまだ消えていないだろう。
痛ましいほどに真っ直ぐで、純粋な生きざまが…すごくすぎるさんらしいです。よき……そして胸が痛い………
hacchi/八木山
突然だが、hacchiさんは1人実況をしているイメージが強くある。
彼の実況デビュー当時の動画を、わたしが何度も見返しているからだ。
わたしはゲーム実況という文化が好きだ。
自分が苦手とするゲームを代わりにプレイしてくれる。未知のゲームに触れることができる。そんな利点も確かにある。しかし何より、実況者の感情の爆発や機微、そういった人情味を味わうことができる。
どんな視点で人と触れ合うのか、どんな解釈で世界を見ているのか、ゲームを通して知ることができる。ゲームを通じて心が揺れて、感動を覚える。そんな瞬間をくれるゲーム実況が好きだ。
そして、そのゲーム実況に出逢えたのはhacchiさんの動画のおかげだ。
ゲーム実況界隈でhacchiさんの姿を見かけなくなったときは寂しかった。あごあご(顎顎)しぃガンダムの続きは出ないのか。理不尽な死にゲー動画はもう見れないのかと諦めていた。
そんな中「ナポリの男たち」という実況グループが新結成されたことを知る。
メンバー一覧にhacchiさんの名を見つけたときは、どれ程嬉しかったか。
が、hacchiさんはソロプレイヤーとしての印象が強すぎたため、グループ実況はチラ見しかできていなかった。だからナポリの男たちの実況動画を最後まで見切るのは、この動画が初めてだ。
物語展開が面白いのもあるけど、嬉しかったんだよ。
hacchiさんが、めっちゃhacchiさんだった…。
大人数の中でも、いちソロプレイヤーとして輝くhacchiさんだった。
ソロプレイヤー4人がグループになってるんだもの。そりゃ当たり前だろうけどさ。
八木山は、
性格が暗くて、幸薄くて。でも真面目で、仲間思いで、愚直で。誰かの影に囚われ続けることを是とする生き方ができる。己の意志を愚直に仲間に伝え続けることができる。結末に向けて愚直ダッシュができる…hacchiさんだったよ…。
ありがとう、ゲーム実況を続けてくれて。ナポリの男たちでいてくれて。
ここまで勝手なイメージで物を言って、本当に申し訳ない。ただただ仲間と楽しく毎日を過ごしてくれたら、幸せに暮らしていてくれさえすれば、いちファンとしてはそれだけでよいんです。
八木山について。
hacchiさんが何かを意思決定し、状況を打開しようとする姿。それだけでもう嬉しすぎたのだが、その中でも印象的だったところ。
「ちょっとまて、コージーちょっとまて。お前はナビゲーションが低い。俺が代わりにやる」
うーーかっこいい。嫌われ役になろうとも割って入る。
「めんどくさいんでビンタします」「自惚れるな!」という流れも最高。しかも結局断られて結果が雪崩っていうね。コージーのダイス目も相まって素晴らしい展開だった。
七浦の死と遺言を見届けたのちに起こる、心境の変化。言わずもがな、よい。
パラシュートの場面。
徹心とえべたんが飛び立ち、洞に残された八木山と志海。
2人きりになって、八木山は何か喋ることがあるのかと思っていたら
「志海、一応確認しておくが…。お前ここに残ったりしないよな」
えーーーーーー!!!志海を心配するの…!!心配してるの…!!!
「次はお前のことが心配になってきた」
八木山ーーーーー!!!
心配性という特性からの見事なフラグ建築…!!!
そして…見事な回収………っっ!!!!……すごいつらい…………
「山頂に行ったときは2時間だけ眠れたんだが、あれからまた30分に戻ってしまって…」
「選択肢がない、俺からすると。行くしかない」
還らぬ新たな友のために。なるべくはやく、再び山脈へ。
あああああああ!!!次回作ーーーーーー!!!何で投稿されていないんだーー!!
ちょっと荒ぶってきたため、この辺にしておく。これからもナポリの男たちの動画、追います。
shu3/志海三郎
最後に残すは志海。
一番思い入れのある実況者は、上記で語った通りhacchiさんだったんですよ。The Immortalの実況動画がニコ動のランキングを席巻してた時代からファンだったからね。
でも最後に語るのはやはり貴方でなくてはならない。
志海ーーーーーーーー!!!!
何故死んだーーーーー!!!!!!!
死んでないかもだけど!!山脈に住んでるかもしれないけど!!!
山小屋やってるかもしれんけど!!!!!
やだーーーーーー!!!!!!!
物語を通して、ずっとぶれずにサイコパスでいてくれた志海。
登山家として何がなんでも山を登りきるという強い意志が、命の危険という快楽に裏打ちされているのがすごいというか。初志貫徹しているんだよね。
快感を得るために登り、そして散る。迷いなき男の一生。
彼には死んでほしくなかった。やっぱり4人で生還するEDが見たいじゃん。
ただ、狂気山脈という物語のなかでは、すさまじく「正しい」終わり方なのがさ…胸が痛いのよ……。
前人未到の地へ、人類初登頂を成し遂げた志海。しかし彼の到達点は山頂にはあらず。彼にとっての人生の果ては、恐怖と共にある甘美な死。
絵になりすぎるーーーーー!!!解釈一致すぎるーーーーーーーー!!!!
これぞクトゥルフーーーーーー!!!!!!!
途中までの印象は薄かったのに、最後の最後で強烈な爪痕を残していった。
「志海、一応確認しておくが…。お前ここに残ったりしないよな」
「いや、大丈夫ですよ」
……
「あー、こんな日に死ぬんだよなぁ」
「一言いいですか」
「今日、このときのために、生きてきたのかもしれません」
遺言めいた言葉をのこす志海へ、即座に「違うぞ三郎!!」と返す徹心。
好き~~~この掛け合いも好き~~~!!!
shu3の捉えどころのない話し方は、彼にとっては通常運転なのかしら。気になるから、今度ソロの実況動画を漁ってみなければ。
狂気山脈らしい、素晴らしいラストをありがとう。
狂気山脈らしい、ビターで余韻の残る結末を味わうことができて、幸せだった。
GMむつーさん、ナポリの男たちの皆さん、美麗な立ち絵を描いてくださった絵師さん、今回の動画のためにシナリオを3人用から4人用へと改訂してくださった作者さん(まだら牛さん…でいいんですよね?)、動画に携わった皆さんへ……
作品の余韻から、いまだに胸が痛いです……!!!
でも幸せです……!!!!
制作&公開、ありがとうございました………!!!