TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」のすすめ
D&Dを遊んでいる。
D&Dは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の略である。剣と魔法の世界を舞台に、プレイヤー演じる冒険者たちが世界を旅する、ファンタジーTRPGだ。
日本で「TRPG」というとクトゥルフ神話TRPGが専ら人気だが、アメリカにおけるTRPG人気は圧倒的にD&Dが支えている。ドラゴンクエストにも影響を与えたRPGゲームの始祖中の始祖だ。
世界大国アメリカの心を鷲掴みにするD&D。TRPGプレイヤーの端くれとして、1度その魅力を体験したいと思いたち、Twitterで声をあげてみた。D&D界隈の皆様のおかげでツイートは拡散、経験者gomaxさん(@gomax20141)のショートセッション会に参加することと相成った。
注:筆者が遊んだのはD&D5版になります。他版とはイメージが異なる点、ご容赦ください
オンライン上で開催された会では、システムやキャラクター作成の説明から、簡単な戦闘シーンまでをトライ。
体感はシミュレーションRPGに近い。オンラインセッションサポートツールであるユドナリウムを使用し、マップ画像を表示。マップ上にマス目(グリッド線)があり、マスの1つに作成したキャラクター駒を配置。キャラクターの移動力に応じて、駒を手動で1歩、2歩と進め、敵を攻撃したり魔法を使ったりする。
gomaxさんは、D&Dの魅力の1つに「想像力次第で、多彩な行動ができる」点をあげてくださった。
RPGなので単純に攻撃したり防御したりはもちろん、ボスモンスターを鷲掴みにし自陣へ引きずってきたり、ダンジョンの壁をよじ登ってみたり、魔法の効果を戦闘用途以外に応用したり。「こんなことやってみたい!」と思った内容を、D&Dのルールが幅広くサポートしてくれるという。
1回で全てのルールは理解できなかったが、何だかとても楽しかった。
そもそもシミュレーションRPGのシステムが好きだし、ファンタジー世界も大好き。用意してくださったマップ画像も雰囲気があり、世界観に浸れる。おまけにBGM付き。
「ダンジョン&ドラゴンズ」とあるように、ダンジョン探索が物語のメインになるが、単調だと思う無かれ。探索から戦闘までがシームレスに表現でき、ストレスのない設計になっている。
ここではないどこかを、実際に仲間と旅している気分が高まり、1回のセッションだけでその魅力にはまってしまったのである。
ありがたいことに、その後すぐにお誘いいただき、「ファンデルヴァーの失われた鉱山」というキャンペーンシナリオに参加できることになった。
2022年2月にD&Dに出会い今に至るまで、仲間と楽しい冒険を続けさせてもらっている。
注:卓によって手法は人それぞれですので、どんなセッション形式かは必ず卓のDMさん(ダンジョンマスターの略。D&Dにおける語り部。ゲームマスター)に確認してくださいね
2022年7月現在、日本においてD&Dを取り巻く環境がちょっぴり変化した。
今年6月、公式ルールブックの日本語版を担当していたホビージャパンさんが、契約期間終了を理由にサポート終了。参加者必須のルールブック、プレイヤーズハンドブックも流通分を残して品切れの状態だ。
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」第5版 日本語版へのご愛顧にお礼申し上げます。弊社取扱い契約期間が終わる6月となりました。それ以降のことで弊社からご案内できることはありません。関心をお持ちの方はお見逃しなく、お手に取られますようお願い申し上げます。 #TRPG #DnD #DnDj
— ダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版公式 (@HJ_DnD) June 2, 2022
ホビージャパン版 プレイヤーズハンドブックの紹介はこちらより↓↓
製品情報 | ダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版公式ホームページ
ちなみにサポート終了と同時に、別なD&D日本公式アカウントが誕生している。今後はこちらからのアナウンスを待ちたいところ。
フォローいただきありがとうございます!ウィザーズ・オブ・ザ・コースト『ダンジョンズ&ドラゴンズ』日本公式アカウントです。
— ダンジョンズ&ドラゴンズ (@wizardsdndjp) July 1, 2022
今後についての詳しい情報は7月中に追って発表予定となります。どうぞお楽しみに!#ダンジョンズアンドドラゴンズ⁰#dungeonsanddragons pic.twitter.com/QMHJRmVu73
D&Dを遊ぶなら、プレイヤーズハンドブックの所持は必須と言っていいだろう。
TRPGでよく話題になるマナー問題はもちろんのこと、参照するルールがなかなかに膨大なのだ。
「「こんなことやってみたい!」と思った内容を、D&Dのルールが幅広くサポートしてくれる」と述べたが、ルール上何でもできる故に、ルールブックと睨めっこする時間も多い。文章を読むのが苦手な方は、少しつらいかもしれない。
ショートセッション会のときから、
「プレイヤーズハンドブックお勧めです!」
と声掛けいただいていたが、恥ずかしながら当初は値段に躊躇していた。税込6600円はなかなかな買い物。もし遊ばなくなったら棚の肥やしになってしまう。
しかしプレイヤーズハンドブック、モンスターマニュアル、ダンジョンマスターズガイドと、結局3冊も揃えた今は断言できる。
「プレイヤーズハンドブックお勧めです!!!」
まず本の質感が最高にいい。重厚感のありツヤのある表紙。
開くとその文字の海に驚く。350ページを超える情報量は伊達ではない。
その厚みに関わらず、ページをめくりテーブルに置くと、絵本のように開いたままの状態にできる。これ、ルール参照にめちゃくちゃ便利。
そしてフルカラー&美麗イラスト!!!ファンタジー世界を彩る個性あふれる種族や、クリーチャー、アイテムが贅沢にもびっしり描かれている。
もはやプレイヤーズハンドブックはツールではない。コレクターズアイテムなのだ。読んでいるだけで豊かな気持ちになる。
とはいえホビージャパンさんもサポート終了だし、結局正規の値段でルールブックは手に入らないんでしょ…と思った貴方。朗報です。
ホビージャパンさんは、なんとPDFのベーシック・ルールを公開したままにしてくれている。これは現行最新版、D&D5版のいわゆる簡易版のルールブックだ。
まずさっくりとD&Dの世界を体験したい方は、ベーシックルールをぜひダウンロードしてみてほしい。
日本のD&D環境がどうなっていくかは未知数だが、皆が楽しくD&Dを楽しめる良質なルールブックが、公式から販売されることを祈ってやまない。
なりたい自分になれる世界、未知数な冒険が待っている世界、そんなD&Dをこれからも楽しんでいきたいと思う。せっかくマスターズガイド(DMをするために必要なルールブック)を買ってしまったのだから、いつか簡単なセッションをまわせるとよいな…。
もしこの記事で興味を持った方がいたら、ぜひD&Dへ繋がる扉を叩いてみてください。案外不思議な縁で、冒険の道が始まるかもしれませんよ。