書きたい分だけ書くブログ

冗長な戯言(たわごと)をつらつらと

こういう場所があるのはいいことだ

くさくさする出来事があったので、用事を済ませがてら父の実家を訪ねた。

わたしの本当の実家ー母方の実家は、色々あって既に別の誰かの手に渡っており、1番思い出深い住宅にはただいまできないでいる。が、東京から青森にUターンして5年以上経ち、父方の実家は実家とイコールの存在になりつつある。

 

父にはLINEで昼過ぎに訪れてもよいかと聞いたが返信がなく、電話も通じず。定年しているとはいえ多忙多趣味な父である。用事を片付けながら、まあ在宅していたらラッキーくらいの気持ちで家に向かった。

用事を1つ残した状態で目的地に到着したが人気がない。次の用事まで時間が空いてしまったので、何となしに家前の道路に車を停め時間をつぶす。車通りがない道とはいえ、家前にどんと停車できるのはここが実家所以だと思った。鳥の鳴き声を聞きつつ車内でのんべんだらりとしていたら、父がちょうど帰宅。用事を済ませたら立ち寄るねと伝え、一旦立ち去った。

 

グループホームに通う90歳越えの祖父を訪ねた後、実家に戻る。何週かに1度しか面会していないが、そのたびに年を重ねているのを実感する。今日は孫のわたしと話しながらこくりこくりと居眠りしていた。父に状態を伝えると、夜眠れないので睡眠薬を処方されているらしく、その影響かもしれないということだった。家族が老いていくのを見るのは少しつらい。父も徐々に腕の筋肉が落ちているように感じる。2人とも会うたび孫(娘)のわたしを気にかけてくれるので、老化にクヨクヨしておられんと思う。

 

実家では他愛もないことをして過ごした。持参したコーヒー豆を適当な分量で淹れ、2人で飲んだ。居間に行くと、幼少期に買ってもらったドリームキャストが鎮座しており驚いた。納屋を掃除したら発掘されたらしい。わたしが中学・高校の頃に買いあさった「ぷよぷよ~ん」だの、「ぷよぷよDA!」だののディスクも同時に見つかっていた。上京のタイミングで捨てられたかと思っていたが、大事に保管されていたらしい。父が「セガラリー」を練習中というので、2人で対戦した。ボコボコにされた。

それからわたしの近況を聞いてもらった。旦那、仕事、将来。父と話していると自分がちっぽけな子供になって気がしてくる。

この実家の話もした。祖父が祖母と共に建てた家で、年期も入っているがなかなか大きい。維持費も大変で、いずれは「実家」と呼べる場所がなくなってしまうかもと思っている。今のところはその予定はたっていないが。

「まあ、こういう場所があるのはいいことだ」と父は言った。

帰りに趣味の家庭菜園で取れた小松菜をもらった。スーパーの小松菜と比べると葉の色合いは黄緑で、日光を浴びて元気に育ってます!と言わんばかりである。虫に食われていない葉がないくらい穴ぼこだらけだったが、無農薬栽培なのでしょうがないとのこと。菜園横の水道で水洗いし、根をぷちぷちと取り除いた。明日にでもお浸しにして、味を確かめてみる。

 

コーヒーカップを片付け、ビニール袋に小松菜を入れ、また来ると伝えて実家を出た。元気だった祖父がそうしてくれたように、父は車が発信するまで外で見送ってくれる。

日中に訪ねる実家は現実感がない気がしたけど、くさくさした気分が少し晴れた。